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つれづれなるままに美術館へ 2017年春めき編 ~ 江戸の絶景と若冲と ~

  • K
  • 2017年3月24日
  • 読了時間: 3分

もうすぐさくらの季節。北風の冷たさが心地よく感じられる春の陽気になってきましたね。

暖かくならずとも、お出かけ虫がうずいてしまうとイロイロなところにでかけたくなります。美術館も選択肢のひとつ。絵と向き合っていろいろ思いをめぐらすのは楽しいものです。春めく時期に観て来た展覧会を、今回もつれづれなるままにご紹介します。

春のお出かけにぜひ。

 

250年前の絶景ブームを楽しむ

いつの時代も人々の心をつかんで離さない「絶景」。江戸時代にも、名所絵(『東海道五十三次之内』『富嶽三十六景』などの風景画)の流行によって、日本各地(なんと沖縄も!)の絶景が描かれ、江戸っ子たちを楽しませていたとのこと。そんな「絶景」を集めた展覧会が太田記念美術館で今週末(3/26)まで開催中です。

ときにダイナミックに、ときに叙情的に。歌川広重、葛飾北斎、歌川国芳などの浮世絵師の手によって、より「絶景」らしく描かれた「絶景」を眺めながら日本一周、さらには、現在との違いや変わらないところを見つけながら時間旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

私が観に行った日は、学芸員さんによる「スライドトーク」の開催日。おもしろいと思ったのは、名所絵の流行により、遠いところばかりでなく、身近な場所が名所化していったという解説。江戸の街の小さな通りが「絶景」のように描かれるようになったのだそうです。

SNSが当たり前になったいま、近所の人しか知らないような、なにげなく存在する「絶景」があっという間に拡散し観光地化するという現象も起きています。江戸時代であれば浮世絵、いまであればSNS。メディアによってなにげないと思っていたものが一気にブレイクするという構造はいまも昔も変わっていないのですね。

太田記念美術館(http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/)は、東京表参道、ラフォーレ原宿の裏通りにひっそりと建つ浮世絵専門の美術館。名品をまるっと楽しめる展覧会や一風変わったテーマの企画展(4月からは浮世絵に描かれた動物を特集した『浮世絵動物園』)などを開催しています。最近では海外からの観光客の方も多く、浮世絵好きならずとも一度足を運んでみていただきたい美術館です。

 

注目の絵師、伊藤若冲と向き合う

昨年開催された『若冲展』。会期末には、5時間を越える長蛇の列ができ、その熱狂ぶりが話題になりました。ここ数年で注目が集まり、人々を魅了する伊藤若冲。茨城県北芸術祭では、TeamLabが若冲の『鳥獣花木図屏風』『樹花鳥獣図屏風』をモチーフに『Nirvana』という作品を展示したので、そちらをご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

伊藤若冲は、京都錦小路の青物問屋に生まれ、父亡き後に家業を継いだものの、弟に家督を譲って隠居。絵を描くことに心血を注いだ江戸時代の絵師です。京都御所の北にある相国寺と深いゆかりがあり、相国寺承天閣美術館(http://www.shokoku-ji.jp/j_now.html)では、生誕300年にあたる2016年から『伊藤若冲展』が開催中。後期展示では『鸚鵡牡丹図』が本邦初公開されています(写真の看板に描かれています)。

鮮やかな色彩、ダイナミックな筆致、リアルを越える描写。「奇想の画家」とも呼ばれ、華々しいイメージのある若冲ですが、その人となりが感じられる資料も展示されていて、描くことへの想いを噛みしめながら、ゆっくりと若冲と向き合える時間をすごすことができました。

これから京都はさくらの季節を迎え、さらには初夏になれば青もみじや葵祭など見どころの多い時期。京都へ行ったらぜひ若冲展にも立ち寄ってみてください。会期は5月21日まで。

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