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最近、観光のポスターが素敵になってる。

  • K
  • 2018年4月13日
  • 読了時間: 4分

そんな風に思うのです。

こちらは、今年の3月に京都に訪れた時に見た、清水寺の「春の夜間特別拝観」のポスター。

仁王門の内側から、門をフレームに見立てて、ライトアップされた梅越しに夜空を写した写真と、簡単な概要(期間・拝観料など)がちょこちょこっと書いてあるだけのシンプルなものです。

しかも紙は、ポスターによくあるつるつるのものではなく、質感のあるマット紙。

強い自己主張はないのに、奥ゆかしいながらも「特別」感が漂ってきます。

こちらとは別に、京都の空に放たれるひとすじのブルーのライトのバージョンもあるのですが(撮りわすれた…)、まるでスターウォーズのライトセーバーのようでかっこいい1枚になっていました。

もう1枚ご紹介したいのが、日本三大桜のひとつ「三春滝桜」をモチーフにした、福島県三春町のポスターです。

ガラスの内側から貼っていたものを撮影したので、撮ってる自分が映り込んでしまっていますが、どうかご容赦を。

夜。空に輝く北斗七星と滝桜のシルエット。樹齢1,000年ともいわれる滝桜の花は見せないという、なんとも贅沢な使い方のようにも見えます。

ですが、時代が変わり、そこにいる人も変わり、それでもそこにあり続け、変化を見届けながら、毎年春になれば見事な花を咲かせる滝桜の「偉大さ」を表現するには、星空との組み合わせがぴったりだったのではないかと思います。

情報はほとんどありません。でも、今はすぐに検索ができます。「滝桜 三春町」と検索すれば、滝桜の情報はわんさかでてきます。それよりも、この1枚の写真でイマジネーションを刺激して、この桜に会いに行きたいと思ってもらえばいい。そんな印象を受けます。

外国人観光客を意識してから、「Oh My TAKIZAKURA!」とさりげなく入っているのも、個人的には好きです。

なにも足さない。なにも引かない。

このようなポスターが、目新しいということではありません。思わず目が行ってしまうようなビジュアルを作りこみ、1行だけのコピーとロゴを入れる。アパレルブランドやインテリアなど、デザインとの関わりが強い分野では昔からあった表現手法でもあります。この2枚のポスターがすごいのは、映っている景色そのものは、誰でも見られる「ありのまま」であること。どう切り取るか、によって「特別感」や「物語」が見えるようになっているところだと思います。

「なにも足さない。なにも引かない。」サントリーウイスキーのキャッチコピーをふと思い出しました。ありのままの美しさをそのまま描いた。だから、素敵に見えるのかもしれません。

インスタグラムが「伝え方」を変える

インスタグラムによっていろいろな写真を見る機会が増え、写真に対する感度が鋭くなっていることも「伝え方」に影響を与えているように思います。「インスタ映え」という言葉は、撮影する側の目線ですが、撮影する側は見る側にもなるのがインスタグラム。同じ場所、同じ被写体であっても、撮る人によってさまざまな見え方があることに気づきます。「そういう見せ方があったか!」「やられた!」「こんな風に撮りたい!」と思えるものが、魅力を伝えるという意味においては重要度を増しているのかもしれません。

クリエイティブってなんだろう

いい写真が1枚あればいいということではありません。どうやってその1枚の写真に行き着くかが重要になってくるということだと思っています。そのもののことはよくわかっていなければならないし、その背景に対する理解も深めておかなければなりません。周辺領域はどうか、過去はどうか。いろいろなものを見ておくことも大切。いろんな文脈の先に、紹介したいものをどのように置くのか、そのお膳立てをすることが「クリエイティブ」の役割であるようにも思えます。

カタチにすることに急ぎすぎてしまって、この部分をすっ飛ばしていないだろうか。桜を見上げて静かに時間が過ぎていくことを思い浮かべなら、ふとそんなことを考えてみたりするのです。

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